平成20年度バランスシート

バランスシートとは、町の資産や負債（町の借金）などの状況を一覧表にまとめた報告書のことで、借方と貸方が同額になって釣り合うことから、バランスシートと呼ばれています。これを見ると、町が資産（建物や土地など）をどのくらい保有し、その資産を得るためにどのくらい国や都から補助金をもらったり、借金をしたりしたのかが分かります。

バランスシートから分かること

年度ごとの数値を比較することにより資産形成の内容が明らかになり、財政運営を分析できます。

• 有形固定資産は平成19年度比0.8パーセントの増加で、社会資本への持続性のある投資がなされています。
• 投資等は平成19年度比1.1パーセントの増加で、教育向上基金と安全・安心まちづくり基金の創設が主な理由ですが、その他の基金の取り崩しは毎年度行われています。
• 流動資産は平成19年度比28.1パーセントの増加で、現金・預金に仕分けされる歳計現金の増加が主なものです。なお、財政調整基金については平成19年度まで取り崩しが行われていましたが、平成20年度は積み立てをすることができました。
• 長期的な固定負債は平成19年度比2.4パーセントの減少で、当初で借り入れを見込んでいた臨時財政対策債の借り入れをしなかったことによります。
• 短期的な流動負債は平成19年度比6.9パーセントの減少で、昭和57年度四小用地取得事業ほか7事業における借入金の元利償還が終了したことによります。
• 純資産は平成19年度比2.5パーセントの増加で、固定資産等を取得するために投入できる財産が増加しています。

分析

財政の健全性は維持しつつも、その運営は厳しいものとなっています。

平成20年度行政コスト計算書

地方自治体の行政活動は、バランスシートで明らかにされる資産・負債等の状況だけでなく、人的サービスや給付サービスなどの資産形成につながらない行政活動が大きな比重を占めています。この行政サービスの1年間の状況を性質別コストと、目的別コストに分類したものが行政コスト計算書です。

行政コスト計算書から分かること

• 人に掛かるコストは平成19年度比3.3パーセントの減少で、指定管理者制度導入による人件費の圧縮と、町職員の減少により人件費、退職給与引当金繰入等、賞与引当金繰入額が減少したことによります。
• 物に掛かるコストは平成19年度比4.0パーセントの減少で、主な減少理由は減価償却によるものです。
• 移転支出的コストは平成19年度比8.8パーセントの増加で、他会計への繰出金の増加および石畑保育園の指定管理者制度導入による社会保障給付の増加が主な理由です。
• その他のコストは平成19年度比3.7パーセントの減少で、借金の利子の支払いが減少したことによります。
• 収入については平成19年度比7.3パーセントの減少となりました。

分析

コスト全体では、平成19年度比1.8パーセントの増加となりました。指定管理者制度導入によるサービスの質を落とさず人件費を圧縮する工夫はしているものの、簡単に削減することができない社会保障給付などが増加しているため、さらなるコスト削減の努力が必要です。

平成20年度純資産変動計算書

純資産変動計算書は、平成20年度決算から新たに追加された財務諸表で、バランスシートの純資産の部に計上されている数値の内容を表したものです。行政コスト計算書の純経常行政コストが経常的な財源によりどの程度賄われているかを表しています。

• 純資産の合計で、期末純資産残高（平成20年度末残高）が期首純資産残高（平成19年度末残高）より2.5パーセントの増加となりました。

平成20年度資金収支計算書

資金収支計算書は、平成20年度決算から新たに追加された財務諸表で、資金の出入りを三つの区分（経常的収支の部、公共資産整備収支の部、投資・財務的収支の部）に分けて表したものです。行政活動における資金の使い道とその財源の状況が表示されます。

• 経常的収支の部は、収支差額が約23億5千万円の黒字となりました。これは、経常的収支の部で生じた黒字を公共資産整備収支の部および投資・財務的収支の部で生じた赤字に充当するという関係になります
• 公共資産整備収支の部は、収支差額が約11億3千万円の赤字となりましたが、経常的収支の部で黒字となった財源が充当されています。
• 投資・財務的収支の部は、収支差額が約6億8千万円の赤字となりましたが、経常的収支の部で黒字となった財源が充当されています。