岡山県総社市 「空き家対策について」

更新日 令和8年9月1日

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調査概要

総社市では、中心市街地など拠点的エリアに空き家が集積すると地域の活力が低下し、まちづくりに影響を及ぼすことから、空き家等対策の推進に関する特別措置法の改正を踏まえ、空き家の利活用と危険空き家対策を一体的に進めている。空き家の状態悪化による倒壊の危険や、活用時の建築基準法上の制約にも対応するため、重点的に利活用を促進する区域を設定し、所有者への働きかけや用途変更・建替えの促進を図っていた。
市では空き家実態調査を実施し、A 〜E 判定および判定不可に分類したうえで、1 5 の支援メニューに基づき対策を展開している。主な取組として、岡山県の「空き家ガイドブック」を活用しながら「そうじゃ空き家百選」への登録を推進し、空き家バンクによる利活用を促進していた。
ただし、登録できない物件については「空き家付き宅地再生バンク」として市のホームページで情報公開し、土地活用につなげていた。資金支援として、「空き家利活用所有者応援金」「空き家リフォーム助成金」「そうじゃ商人応援事業補助金」「空き家の解体撤去に係る固定資産税等の減免」などを実施し、所有者の行動変容を促していた。また、地域ぐるみで利活用を支援する「空き家等利活用 移住・定住地域交付金」を交付し、地域主体の取組を後押ししていた。相談体制としては、出前講座の実施、総社移住・創業サポートセンターの設置、空き家の管理支援などを行い、所有者・移住希望者双方の相談に対応していた。
「総社市空家等の適正な管理に関する条例」が、平成30 年に、危険空き家の管理や利活用を含む総合的な対策を目的として改正され、「総社市空家等の対策の推進に関する条例」と名称も変更した。さらには、令和5 年の国の法改正を踏まえ、令和7 年度に再度の条例改正を行い、現在は「第2 期空家等対策計画」の見直しを前倒しで進めている。
危険空き家については緊急安全措置を実施しており、令和8 年度は、既に数件の対応を行っていた。必要な予算措置を講じた上で所有者に費用負担を求めており、所有者不明の場合には、行政代執行の可能性も視野に入れている。
利活用事例としては、地域づくり協議会等による空き家マップ作成と地域コーディネーターによる移住希望者とのマッチング、山田地区での移住者とのマッチング、創業希望者が空き家を活用してコーヒーショップを開業した事例などがあり、こうした地域主体のマッチングが、空き家の利活用と地域のにぎわい創出につながっている。
総社市の空き家対策の特徴は、危険空き家や管理不全空き家への対応と、空き家を「地域資源」として捉えた利活用支援を両立させている点である。行政は相談対応や制度案内、所有者へのアプローチを担い、地域は空き家情報の収集・マップ化、移住希望者の案内、地域コーディネーターによるマッチングなどを担うことで、行政と地域が役割分担しながら空き家対策を進めている。また、近年増加傾向にある農地付き空き家に関しては、農業委員会などとも協議している。
令和5 年度に、県のハンドブックを総社市版に修正して配布したことで、住民が空き家を「活用できる資源」として捉える意識が広がった。移住コーディネーター自身が移住者であることも説得力を高め、相談件数の増加や利活用への関心向上につながっている。
以上のとおり、総社市は空き家の管理・特定・利活用を総合的に進め、地域主体のマッチングや支援制度を組み合わせることで、空き家対策とまちづくりを両立させている点が特徴である。

所見

総社市の空き家対策は、制度の充実だけでなく、地域と行政が一体となって取り組む体制が確立されており、空き家対策を「地域資源の活用」として捉えている点が特徴的である。ハンドブックや支援パッケージにより制度が分かりやすく整理され、相談者が迷わず窓口につながる仕組みが整っていること、空き家の状態をランク付けして可視化することで所有者の行動変容を促していること、地域コミュニティが主体となり行政が伴走する体制が機能していることなど、実効性の高い空き家対策として評価できる。
瑞穂町においても、空き家等対策計画を踏まえ、総社市の取組を参考にしながら、次の点を重点的に進める必要がある。第一に、利活用可能な空き家と老朽空き家を明確に分けて流通させる「多層的なバンク制度」を整備すること。第二に、店舗併用住宅や空き店舗について、部分貸しや動線分離に対応した改修補助・マッチング体制を整え、創業支援と連動させること。第三に、農地が混在する物件への対応として、用途緩和や関係部署との連携を進めること。
第四に、空き家対策を移住・定住施策や子育て支援と一体的に進め、ニューファミリー層に選発覚するまちとしての魅力発信を強化することが求められる。
総社市の取組は、空き家対策を地域と行政が同じ方向を向いて進める「協働のまちづくり」として機能しており、瑞穂町の空き家対策の具体化において大いに参考となる。
今回の視察で得た知見を、今後の委員会の議論や町の空き家対策の充実に確実に生かしていく必要がある。

soujashi
総社市役所で研修を受けている様子

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