愛知県瀬戸市 「小中学校の統合と小中一貫教育について」

更新日 令和8年3月6日

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調査概要

瀬戸市では、教育環境の向上と児童・生徒数の減少による課題解決に向け、本山中学校区と祖東中学校区をモデル地区に定め、東公園(中山町)の敷地を活用し、5つの地区にある7つの小・中学校を一貫校として統合し、令和2年4月に小中一貫校「にじの丘学園」を開校した。この取り組みは、平成28年3月に策定した「第2次瀬戸市教育アクションプラン」に掲げた7つの基本目標の達成に向けたものであり、未来を担う次世代のための教育環境整備の一環である。

にじの丘学園
「にじの丘学園」開校時は835名であった児童・生徒数は、近隣の土地区画整理地に子育て世帯が引っ越してきたことなどにより、令和7年5月時点で1,207名と5年間で372人増加した。開校当初予想していた児童・生徒数を大幅に上回っていたため、教室の増築工事に着工しており、令和8年度には5つの教室が増える予定である。校舎内は、廊下や2つの体育館、登り窯をイメージした大階段(登り窯ステップ)など広々とした空間となっており、大階段には本棚や舞台が併設され、読書や発表の場となっていた。大階段からは多目的教室や特別教室の活動が見え、異なる学年の子どもたちが互いに刺激を受け、自然に学習意欲を高め合える場となっている。授業開始のチャイムは、2時間目、4時間目、5時間目の開始時間を揃えており、その間のチャイムは鳴らさない工夫をして授業時間の統一を図っていた。統合した5地区の代表者と自治会長連絡会や学校運営協議会を通して、連絡を密に行うことで、愛着や地域とのつながりが希薄化しないようにしていて、母校がなくなっても各地域に根差した行事や文化は大切に継承していく考えであった。

小中一貫教育導入による学習面・生活面での効果
「にじの丘学園」では、協働型課題解決の育成を教育目標に掲げ、9年間を通じて学び、つながり、挑戦する児童・生徒の育成を目指しているため、教科横断的な学びや異学年交流(ソーシャルスキルトレーニングや縦割り班清掃、保育実習)などを通じて、社会性や自尊感情の育成を図っている。小中一貫校のメリットを生かし、教科担任制や小・中相互の乗り入れ授業によって教科の専門性と継続性を確保している。また、にじナビ(単元を見通したワークシート)を活用し、9年間の学びの連続性を子どもたち自身が見ることができるようにしていた。個別最適な学びと協働的な学びの両立を進め、子どもたち同士の交流や教職員などの連携、協働に重点を置き、多様な教育活動に取り組むことで、9年間、切れ目なく子どもたちの成長を見守っているという。小学生が中学生への憧れを持つようになるとともに、中1ギャップの軽減、小学生や保護者の進路の不安緩和などにもつながっている。また、職員室を一つにすることで、小学校の教員と中学校の教員が日常的に情報交換を行うため、教員間の情報共有がスムーズになり、児童・生徒の支援が一貫して行われていた。教員向けの研修や会議を小中合同で定期的に実施することで、行事や児童・生徒についての情報共有がされている。

旧校舎の活用
統合した7校のうち5校の活用が決まっている。5地区の防災拠点となっていた体育館は、基本的に残すようにしたうえで活用をしている。
(1)にじの丘学園の建設地
(2)私立の学校法人が小学校を運営
(3)私立の学校法人が中学校を運営
(4)日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)所属の女子サッカーチームの練習場
(5)建物を解体し、住宅用地として売却

通学における対応
小中一貫校新設に伴うアンケート調査を実施したところ、約7割の人が通学に関する不安を感じていたという。それを受け、地区ごとに通学路交通安全プログラムが行われ、国、愛知県、学校、PTAなどの関係者が、想定される小中一貫校の通学路を実際に歩き、危険箇所や交通量などを点検した。それによって表面化した危険箇所については、横断歩道や防犯灯、防護柵を設置するなどの対策に努め、令和元年6月にコミュニティスクール設置準備委員会が設置され、通学における子どもたちの見守りについての意見交換も行われた。各地区の見守り方法が違い、統一することは不可能と判断し、統合後も各地区の見守り方法で見守りを行っているという。名鉄バスが広範囲をカバーしていたため、路線バスを通学手段として採用し、必要なバス停の増設やルート変更などを実施している。バス停留所から学校までの乗車区間にシルバー人材センター会員がバスに同乗したり、通学路の見守りについてPTAや保護者に協力してもらうことで、児童・生徒の安全安心に取り組んでいた。

今後の学校再編
児童数が少ない菱野団地の3つの小学校を1つに統合し、令和8年度より「みつば小学校」として開校する予定である。また、校舎が分かれている瀬戸市立瀬戸特別支援学校の小学部、中学部、高等部を1つに統合し、令和10年度の開校を目指している。それ以降、他の小学校や中学校を統合して学校再編を行うような計画はないという。

所見

今回視察した、にじの丘学園は教育環境の向上と人口減少・少子化等による児童・生徒数の減少による課題解決のため小学校5校、中学校2校の7校を統合して義務教育9年間を見通した学校教育の目標やカリキュラムを作成し、未来を担う次世代のための教育環境整備の一環として開校するとともに、小学校から中学校へ変わる時期に、いじめ・不登校が増加する「中一ギャップ」予防も目的としていて、一定の効果はあったという。スタート時は、義務教育9年間を前期4年、中期3年、後期2年の区分を目指していたが、現在は6年、3年の区分になっており、難しさも感じられた。施設的には校舎、体育館を含め7校分を一つにしているので、広々として、素晴らしいものであり、中学生と小学生が当たり前のように、同じ校舎内にいて新鮮な感覚でとても良いと感じられた。また、にじの丘学園の通学範囲を名鉄バスがカバーしていたため、路線バスを通学手段として採用し、必要なバス停の増設やルート変更などで対応できていたが、わが町においては路線バスだけでの対応は難しく、通学も視野に入れた地域公共交通の実現を検討していかなければならないと感じられた。施策立案してから開校するまでに4年の月日を要し、検討会や小中一貫校開校準備委員会を立ち上げ、住民や保護者の意見を取り入れながら、多大な苦労を重ねて開校に至っていた。瑞穂町も少子化の影響を受け、今後、小中学校の統廃合の検討・実施をする時期が来る可能性もあり、わが町も統合や小中一貫教育をするためには、多大な時間と尽力や財源が必要であることから、早期に検討が必要であると感じた。

setoshi
にじの丘学園で説明を受けている様子

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