福井県あわら市 「芦原温泉駅前周辺整備事業について」

更新日 令和7年12月1日

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調査概要

福井県あわら市では、令和6年3月16日に北陸新幹線福井県敦賀までの延伸に伴い、新しく「芦原温泉駅」が開業した。あわら市では新駅開業に先立ち、平成18年に「駅周辺整備基本計画」を策定していた。その後は、基本計画をもとに「都市再生整備計画」を策定し、地域の人口構造や生活ニーズの変化に対応し、より暮らしやすく持続可能なまちづくりを進めるため、また、国の制度改定や支援に対する枠組みの変化への対応も必要となり改定を重ねていった。令和元年には、駅周辺の活性化と観光交流拠点の形成を目的として、駐車場を含む駅前広場の再整備、道路整備(無電柱化含)、デジタルサイネージや観光案内所などの情報発信施設、交流拠点施設アフレアの建設を含んだ「賑わい交流地区都市再生整備計画」が決定および採択され整備が進められた。商業施設誘致も行い、交通結節機能と観光拠点を一体的に整えることで、地域経済の活性化を図っていた。「都会にはない贅沢があるまち」という共感性の高いコンセプトを軸に住民の意欲を引き出す工夫がされ、住民参画の仕組みも丁寧に積み上げられており、住民に対しては、駅前整備に関する「あわらの未来づくりアンケート」を行い、結果459人から回答を得ていた。また、「市民参加型のワークショップ」を踏まえて、駅周辺の将来デザインを3人のデザイナーが描き、公開プレゼンテーションを経て市民投票を行った。また、「駅周辺にぎわい創出協議会」も立ち上げられ、より具体的な整備へとつながる「芦原温泉駅周辺まちづくりプラン」が策定されていた。駅前の全体的な整備には、約72億円の費用がかかっているとのことであった。そのため、財源確保には補助金制度を有効に活用し、「旧まちづくり交付金」を活用し進めていたものを、より補助率の高い「都市構造集中再編事業」に乗り換えるなどの工夫も見られた。土地利用においても、駅周辺の工業地域を住宅・商業系に用途変更し、県の整備方針との整合を図りながら都市計画決定を経て進められていた。平成31年には、駅前公有地活用として、コンテナ型「aキューブ」を整備した。この施設は、貸しスペースとして利用され、賑わい空間を創出していた。また、駅施設と一体でイベント等も定期的に実施していた。駅前商店街エリアでは、空き店舗が増加しており、その活用方法として、開業を希望する事業者と家主のマッチング事業を市が積極的に行っていた。また、店舗開業までにかかる費用や開発事業に対する補助金制度(最大500万円)も創出していた。店舗兼住居の構造が空き店舗活用の障壁になってはいるものの、少しずつ新店舗が増えてきているとのことであった。

所見

瑞穂町もあわら市のようにモノレール延伸を見据えて、多くの住民にまちづくりに参加してもらうアンケートや将来デザイン住民投票などの手法を取り入れるなどの取り組みは参考となる。ただし、策定過程で描いた未来図と実際の整備図に隔たりが生じないためにも、住民とは丁寧で十分な協議を重ね、具体的で実現可能な絵図を描ける取り組みが重要であると考えられる。財源確保に向けては、都市再生整備計画策定の早期検討が必要であり、関係各課の連携も不可欠である。規模は違うが、瑞穂町が向き合っている状況と重なる部分が多く、制度設計・住民参画・財源確保・環境整備の各面で多くの気づきを与えてくれた。町においても、モノレール延伸を単なる交通整備にとどめず、地域の未来を見据えた「まちの再設計」として位置づけるとともに、身の丈に合ったものにしなくてはならないと考えられる。また、都市計画マスタープランや立地適正化計画等の関連計画と整合を図りながら、No.6駅・No.7駅周辺の特性や広域的特性の視点で分析し、駅前整備完了時期を明確にしたうえで、より具体的な実施計画の策定を強く望むものである。

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新しく整備されたJR芦原温泉駅前の施設

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