富山県富山市 「富山型デイサービスについて」
更新日 令和6年9月27日
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概要
「富山型デイサービス」は小規模・共生・地域密着をキーワードとした取組で、一般住宅をベースとして、家庭的な雰囲気の中で、高齢者、障がい者(児)、乳幼児など、利用者を限定せず、誰でも受け入れて対応するデイサービスで、身近な住宅地の中に立地しており、地域との交流も盛んに行われている。
始まり
平成5年に富山赤十字病院を退職した3人の看護師が開所したデイケアハウス「このゆびとーまれ」において、赤ちゃんからお年寄りまで、障がいのあるなしにかかわらず受け入れたことから始まり、後に「富山型」と言われるようになった。当初は、高齢者は老人福祉法、身体障がい者は身体障害者福祉法、知的障がい者は知的障害者福祉法、障がい児は児童福祉法の各法によって施設の設備・人数が定められていたことから、開所当初は高齢者以外の利用に対しては行政からの支援は得られなかった。
行政との連携・支援
平成10年に富山県民間デイサービス育成事業が高齢者と障がい者に拡充。平成12年から介護保険制度が開始し、高齢者のデイサービスとして指定を受けられることに。平成15年には身体障がい者については支援の対象になった。まだまだ支援の拡充が不十分であったが「富山型デイサービス推進特区」を国の地域限定の構造特区に申請していたところ、認定が決定し支援が拡充。ようやく、同じ施設で、支援を受けて誰もが過ごせるようになった。その後、平成18年に障害者自立支援法の施行に伴い、高齢者デイサービス施設での障がい者利用が全国展開できることになった。
さらに、生活介護、短期入所、児童発達支援・放課後等デイサービス、自立訓練が一つずつ年を経て、特区認定から全国での適用へ拡充した。
現在の状況と支援体制
現在、富山市での登録事業者は48施設にまで拡充している。
平成23年には「とやま地域共生型福祉推進特区」の指定を受け、富山型デイサービスを福祉的就労の場として拡大するための基準の緩和が進んだ。また、ハード面として、市は富山型デイサービス施設支援事業を実施し、事業所を新規に立ち上げるための施設整備・住宅活用施設整備について助成制度を設け、事業の拡充を推進している。ソフト面では起業家育成講座、富山型デイサービス職員研修会などを実施し、人材育成に取り組んでいる。
所見
「富山型デイサービス」は従来の行政にはない民間の柔軟な発想に基づいて誕生したサービス形態でスタートし、行政がバックアップするという形で発展、拡大している。東日本大震災の際には、被災地において「共生福祉施設」として国からも推奨され、普及促進されている。
各地域において、身近で小規模な居場所として存在するデイサービスは、高齢者と障がい者と子どもたちや地域の住民が互いに良好な相乗効果を発揮して、共生社会の実現へとつなげている。共生の取り組みの理念を共有する人材育成にも取り組んでおり、この取組は市内外で広がりを見せている。
縦割りの支援が当たり前となっていた福祉分野に、共生での居場所づくりが可能である(国の支援を受けて運営できる)ことを知ることができたことは、大いなる成果である。富山型デイサービスの情報を我が町で高齢者、障がい者、児童・生徒に関わる方々に広く啓発し、行政と共に、共生の居場所づくりについても考え、開設の可能性を模索できればと考える。さらにこれから進める多世代交流の在り方にも大いに参考としていきたい。
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