菰野町

更新日 令和2年1月24日

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調査概要

菰野町は、町の南部を東西に観光地となっている湯の山温泉に向かう近鉄湯の山線が、町内中央には新名神高速道路が通り、町内には民間バスが走るほか、御在所ロープウエイが運行していた。平成11年、町に保健福祉センターが建設され、福祉のまちを目指していた町では、センターへの誘導を促すため福祉バスの運行を開始した。

その後、民間バスの4路線のうち3路線が廃止することになったため、これまでの福祉バスの運行を再検討し、コミュニティバス「かもしか号」の運行を開始した。さらにバス停まで距離がある不便な地域においては、オンデマンド交通(乗り合いタクシー)や「あいあい自動車」事業も併せて実施した。今年度、町内に高速道路のインターチェンジが設置されることから、高速バスを利用できるようコミュニティバス運行の変更も行い、さらなる公共交通の向上を図っている。

1  公共交通の取り組み
民間に委託してコミュニティバスとオンデマンド交通を実施。事業費は合わせて約5,600万円。
(1)コミュニティバス「かもしか号」の運行
・鉄道駅や基幹病院、町保健福祉センター「けやき」などを経由して町の北部・南部を結ぶ。
・4台、10路線でスタートしたが、平成27年に乗り合いタクシーを導入したことを受け、見直しをして9路線に改変。さらに令和元年10月の見直しにより7路線で運行。
・現金、回数券、フリー乗車券で利用できる。(一般・学生200円、障がい者・高齢者・小学生100円)
(2)オンデマンド交通(菰野町のりあいタクシー)の実施(事業費約1,440万円)
・町を南北2つのエリアに分け、それぞれのエリアを1台で運行。
・コミュニティセンターや決められた乗降場所などを結節点として、コミュニティバスに接続する。
・一人乗車400円。(コミュニティバスへ乗り継ぐ場合は、乗り継ぎ券をもらってバスは無料。コミュニティバスからの乗り継ぎの場合は、追加で200円を支払うシステム)
・予約制で、指定の乗降場所から乗降場所までの利用。

2  MaaS(マース Mobility as a Service)「おでかけこもの」の取り組み(導入経費約3,600万円、その内国の補助金約1,400万円)
・出発点から目的地まで、利用者にとって最適経路を提示するとともに、複数の交通手段やその他のサービスを含め、一括して提供するサービスの構築および実証を開始。
・AI予約・配車システムによるオンデマンド交通の実証運行。

3  あいあい自動車の運行
社会福祉協議会に委託して実施。
研修を受け登録された地域の方が運転手となり、利用者とマッチングして移動の課題を解決する仕組み。2つの地域で開始したが、1地域は近所の助け合いで補えるとして、現在は1地域のみ運行。

公共交通の利用数は実施後微減していたが、通勤・通学者のための増便、鉄道や高速バスへの接続を考慮した時刻変更などを実施し、複数の公共交通の接続などが効率的になされるようになり、利用がまた増え始めている。

所見・提言

菰野町は町内に路線バスが運行していたが、「福祉のまち」を目指し、新たな福祉施設が建設されたことをきっかっけに、福祉施設や病院を結ぶため福祉バスを導入した。その後、路線バスが一部を残して廃止となったため、公共交通について再検討を行い、福祉バスからコミュニティバスへ転換している。菰野町の取り組みで注目すべきところは、コミュニティバスのほかに、地域の不便解消を補うために、乗り合いタクシーを併用し、さらに、地域で助け合う「あいあい自動車」も導入していることである。加えて、利便性向上として、利用者が効率よく、複数の公共交通の最適経路を提示するサービスMaaSシステムの構築を行っている。

我が町の福祉バスでは、待ち時間、乗り換えなどが課題であると住民からの意見が寄せられていると聞いている。菰野町の複数の公共交通をうまく、効率的に利用できる取り組みは、我が町にとって大いに参考となるものと考える。

菰野町

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