三芳町

更新日 令和2年1月24日

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調査概要

三芳町は首都圏30km圏内に位置し、商工農のバランスが取れた町として発展している。町内には鉄道の駅は無いが、東武東上線の3駅が隣接している。

三芳町では、「協働のまちづくり」「持続可能なまちづくり」「特性・資源を活かすまちづくり」をまちづくりの基本理念として定期的に住民意識調査を実施している。多くの住民が「住みやすい」としている中、住みにくさの理由の7割超が交通立地条件等による生活不便であり、町に対する意見提案のほとんどが「交通インフラの整備」であった。

そこで町の政策・施策に対する提言を行うことを目的とした「自治体シンクタンク」を平成23年5月に創設した。そのテーマの一つとして「公共交通プロジェクトチーム『ぐるっと』」を立ち上げ、町内の公共交通がどうあるべきか検討を行い、計画を示すことを目的として取り組みを開始した。以下、その取り組み状況を示す。

1 『ぐるっと』の取り組み(3年で一定の結論を出す)
1年目
・課題の整理
・公共交通網に関する調査
・交通空白地域の割り出しと現地調査およびアンケート調査
2年目
・調査の分析
・全町アンケート調査
・通勤通学状況調査
・民間バス会社や送迎バスのある病院・大学への聞き取り調査
・コミュニティバスとデマンド交通の研究
・他自治体の調査・視察
3年目
・全町アンケート調査の分析
・住民の移動傾向の分析
・課題の整理・検討
・公共交通導入を検討するための試行運転案と公共交通の将来像の作成

2 『ぐるっと』の提言を受け、デマンド交通の試行運転を開始(3年間)

3 『ぐるっと』の提言を受け、地域公共交通会議の設置、以下の点について審議(会議を設置することで行政手続等の簡素化が図られる)
・試行運転のデマンド交通の成果分析
・今後の公共交通について
・町内循環バス(既存)の路線再編

4 試行運転の分析により、利用者の偏りや費用対効果からデマンド交通を廃止とし、新たに以下の事業を開始した。
(1) 「公共交通利用補助制度」の開始(年間予算900万円)
・期間を2年間に定め、75歳以上の方に補助を実施
・年度1回、最大6,000円還付(タクシー補助:領収書1枚につき500円、又は民間バス回数券購入費の半額、又は両方の合算)
(2)「高齢者運転免許証自主返納支援制度」創設(年間予算60万円)
・運転経歴書申請手数料支援
・バス回数券購入費
・タクシー乗車費
・交通系ICカード入金・購入
これらを合算して一人1回限り、上限10,000円を還付
(3)既存の町内循環バス(民間)の路線再編

現在、利用者の75%が満足としている。また、利用者、行政ともに事務的手続きに対して課題があることを認識している。

所見

三芳町には町内ではないが東武東上線の駅が3駅も隣接し、駅に接続している民間のバスが町内を循環している。町は、その状況の中で、公共交通の不便地域を検証し、定期的にアンケートを実施するなど、町民の声を聞くとともに、他自治体が取り組んでいる施策を研究してデマンド交通の実証実験を実施した。

この3年間の事業の成果を受けて、その費用対効果、利用者・不利用者からの聞きとりなどを検証・分析した上で事業を廃止することとし、新たに2年間の時限事業として「公共交通利用補助制度(タクシー券の発行)」を、さらに「高齢者運転免許証自主返納支援制度」を創設した。その他、利便性向上のため民間バスの路線再編も行って、公共交通の不便地域解消に繋げている。

我が町とは環境や状況など相違点も多いが、三芳町が町内の不便地域の確定とその状況把握、具体的な事業の検証からデマンド交通を廃止して、次の事業に繋げている点は、我が町の今後の公共交通のあり方を考える上で、大いに参考となるものと考える。

三芳町

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