益城町
更新日 令和2年1月24日
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概要
益城町は平成28年、震度7の地震に二度も見舞われ、甚大な被害を受けた。被害家屋は全体の98%に及び、多くの尊い命も奪われた。町の8割を超える施設も被災し、対策本部となるべき庁舎も機能不全になり、地震への対応も屋外に災害対策本部を設置した。
震災直後は町のほぼすべての住民が避難者となり、運営体制が整わず、避難所は場あたり的な対応にならざるを得なかった。さらに家屋の倒壊により道路機能にも支障が出た。福祉避難所にも健常者が押し寄せ、要配慮者が利用できない事態も発生した。特に知的や精神に障がいのある方で、パニックになる方や行動障がいのある方は通常の避難所に入れず、車中泊をせざるを得ない方がいた。後にトレーラーハウスやユニットハウスを避難所として活用した。これまで備えてきた災害対策の課題が浮き彫りになった。
町は、避難所の運営改善、防災力強化への取り組みが急務であることを認識し、復旧・復興への取り組みを開始した。
福祉施策への取り組み(災害に学んだこと)
・災害に備えて障がいのある方や家族が避難場所、避難経路を確認しておくことが必要。
・緊急時の福祉避難所の把握(どこに何人入れるか)(現在町内9か所・町外7か所の福祉施設と協定済み)とヘルプカードの活用。
・安心して過ごせる場所の確保。避難所の空間を仕切る工夫。
・産前産後の母子や女性への配慮。更衣室、授乳室などの確保。
・災害時、要配慮者に対し、福祉関係の職員が対応できるとは限らない。すべての職員が色々な対応について平時から学ぶことが必要。
・要援護者対策をつめておくことが必要。
・避難所の開設について、福祉での視点で開設・対応を具体的に検討していくことが必要。
・避難所ごとに避難者別(障がいの有無・高齢者・乳幼児など)にどこで過ごしてもらうか、マッピングしておくべき。
・オストメイトに対するストーマ装具の保管・備蓄の体制をとっておく。
・被災後の経済的支援等の情報提供。
・自助・共助・互助・公助の枠組みの認識の拡充と自助・共助・互助の力の底上げ。
・避難所、その後の公営住宅完成後の被災者支援として、個の支援のみならず、地域を含めた支援の実施と自立への推進。
・仮設住宅の整備においてバリアフリー化を推進。
所見・提言
益城町の実体験に即した福祉分野の災害対応の話は大変参考となった。災害時は、混乱は必至であることから、支援の必要な被災者がさらに混乱することを事前に想定し、準備することの大切さを痛感した。益城町では、福祉避難所を町内、町外の福祉施設と協定を交わし、支援の必要な人の支援内容に応じた施設と収容人数を把握し、備えている。現在16か所を指定しているがまだ足りないとのことであった。
我が町も、要配慮者の把握を進めているが、福祉避難所の機能的充足や広域な連携を、できるだけ速やかに進めるべきである。さらに我が町は、複数の幹線道路を有している。災害時、町民以外の被災者の対応も大いに考えられる。避難所の運営にも町内外の要配慮者に対する対応ができるよう日ごろから訓練をしておくことが求められる。
益城町では、要配慮者に対応した避難所運営計画を策定していくと言っていた。我が町でも細かいところまで検討していくべきと考える。近年の災害は想定外が続いている。災害対応に臨んだ自治体の取り組みを参考に、早急に、計画を立てて進めていくべきと考える。
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