大分県日出町

更新日 平成30年11月28日

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調査概要

  1. 日出町には、大分県では唯一現存する藩校「致道館」があり、また、豊後三賢人の一人で多くの人材を育成した碩学者帆足万里を生んだ歴史と文化・教育の町である(日出小学校は、城跡に建つ全国でも珍しい学校である)。
  2. 学力向上に取り組むきっかけは、10年ほど前に教職員の不祥事があり、関連して学力低下が問題となった。
  3. 学力向上に最も効果的なのは、やはり授業改善であり、まずは※1「新大分スタンダード」の着実な実践にあるとしている。
    ※1「新大分スタンダード」とは、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着に加え、「学びに向かう力」と「思考力・判断力・表現力」の育成を目指すもの。
    ・1時間完結型授業(主体的な学びを促す「めあて」、「課題」、「まとめ」、「振り返り」)
    ・板書の構造化・板書とノートの一体化
    ・習熟の程度に応じたきめ細かい指導の充実(「努力を要する状況」の児童・生徒に対する手立ての工夫)
    ・生徒指導の3機能(自己決定の場を与える、自己存在感を与える、共感的な人間関係を育む)を意識した「問題解決的な展開の授業」
  4. 豊岡小学校ではSA(スクールアシスタント)として学習ボランティアが、幅広く学校教育に参画している。中核的な役割を担う一住民の存在が大きく、SAへの連絡調整について、教員の負担はほとんどない。
  5. 家庭との連携は※2「10(11)-7-1運動」の徹底で規則正しい生活を、また、※3「テレビ視聴などのルール作り」を呼びかけている。
    ※2「10(11)-7-1運動」とは、午後10時(中学生は11時)までに寝て、午前7時までに起き、茶碗1杯(食パン1枚)の朝ご飯を食べようという取り組み。
    ※3「テレビ視聴などのルール作り」とは、「テレビとゲームで1日2時間以内」、「ノーメディアデー」などの推奨。
  6. 教育長が学校長出身で非常に熱心であった。予告なく各校の教室に出向き、授業の視察をしている。また、教員が児童・生徒と向き合う時間を増やすため、制度の見直しなども行っている。
  7. 幼・保・小の連携協議会は年間2回実施している(参加者は教育委員会、幼稚園、保育園、小学校長および教諭)。
  8. 日出町標準学力調査を毎年12月に小学校4、5、6年生および中学1、2年生を対象に実施している。
  9. 見学した日出小学校は、教室の廊下側がガラス張りで明るくオープンな環境で授業が行われていた。
  10. 教育支援センター「フレンドリー広場」の拡充やSSW(スクールソーシャルワーカー)の活用などにより、不登校の児童・生徒は、平成30年度現時点では出現していない。

所見・提言

風光明媚な環境の中で勉学ができる日出小学校の授業風景を見学したが、低学年の授業態度も大変落ち着いており、指導がよく行き届いていることをまずもって感じた。

日出町教育委員会では、教員のモチベーションを下げないという方針をもち、研修よりも現場、報告書も簡素化するということで、まさしく今、多くの自治体で問題となっていることへの実践を行っていた。一人ひとりの子供を気にかけてあげるために、職員の朝礼もやめ、子供とできるだけ接する時間を増やしているという説明もあった。

また、地域と一体となったいろいろな取り組みがなされていた。特にSAの活動は多岐にわたり、多くの方が特技を生かした活動に感動した。この活動には、地域や学校の先生方から信頼の厚い方のリーダーシップにより運営されており、先生方の負担軽減にもつながり、子供たちと向き合う時間の増加や授業改善などにも大きな効果をもたらしていた。

わが町としても、さらなる幼・保・小の連携を重視するとともに、地域のボランティアによる学習指導の充実などにより、教員の負担軽減を図ることで、指導教育の充実が向上し、現状での学習サポーターを他の支援に生かせるよう、早期に取り組むべきと考える。

小学4年生までに、現状よりも一人でも多くの児童がしっかりと授業が分かるよう、少人数教育に取り組むことが、将来のコストを下げると考えられるので、効果的な取り組みを考えるべきである。

「ゲーム時間を減らす」といっても実行されにくいため、家庭での読書デーを作るなど、別のテーマを与えており、結果的にゲーム時間が短くなるようにしている。

ノーメディアデーを作ることは、各地で行われているが、ここでは、その時間に親子で何かをするという取り組みを行っており、この前向きな姿勢は見習うべきである。

和気町

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