広島県尾道市

更新日 平成30年5月18日

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調査概要

  1. 尾道市は、団塊の世代が後期高齢者となる平成37年には、2.7人に1人が高齢者となる見込みであった。
  2. 市は介護関連予算が毎年約5億円増加していた。
  3. 市長が特命で職員をピックアップし、高齢化問題対策のプロジェクトリーダーに抜擢し、提言書を作成して欲しい旨を打診された。リーダーは職員の内、担当課に拠ることなく人材をピックアップしプロジェクトチームができあがった。
  4. プロジェクトチームの基本方針は「高齢者を少なくすることはできないし給付が増えることも避けては通れないが、やり方によってはカーブを緩やかにできる」という考え方であった。
  5. 寄せられたアイデアを具現化するために、ネーミング、企画なども含め、楽しいものにするよう心掛けた。
  6. プロジェクトチームは、結成からわずか3か月で、3テーマ14事業の提言をした。(ウオー王(キング)、出たもん勝ち、「ばんこ」コミュニケーション、笑顔とどけ隊キング、えんじゃない農など)
  7. 地域ごとのケアサービス体制を統一するのではなく、互いにやり方を認め、多様性を受け入れる意識が必要と結論づけた。

所見

尾道市は経費を殆どかけることなく事業を実践し成果を上げていることには驚かされる。なぜこのような積極的な高齢者施策が可能であったのか。

一般的に何か新たな試みを実行しようとする場合「人・物・金」を連想するが、市の場合は「人・人・人」であり、その人の持っているポテンシャルを見極め、あらゆる課の職員が互いに信頼し、アイデアを出しあい、協力するという連鎖が可能にしたものであり、当然、市長の強い思いと責任を一身に受ける覚悟と、それを支える副市長の存在があったればこそたどり着けた成果である。プロジェクトチームは課によることなく選抜されたメンバーであり、結果的に本来業務が異なっている。これが、本来業務で知り得た民間の方々同志を結び付ける好循環を生んだものと推察する。また、市の高齢者施策は救済型ではなく、また、健康寿命を引き上げることを連想させない、遊び心をくすぐる内容になっている。確かに、体力向上の運動や健康体操は必要であるが、それを目的としたといった事業を標榜することは、老いるということは弱くなるという連想に結びついてしまいがちである。例えば学校で給食を食べるという事業では、学校まで自分で来るということになり、結果、運動することにもなる。楽しみがあるからこそ外出する。来ることで安否確認もできる。学校に高齢者が来ることで、子どもたちの情緒教育にも少なからず良い影響を与える。このように健康寿命を事業の付加価値で体現する。この発想は大いに参考にすべきである。高齢者施策を難題としてとらえる発想から、どうしたら楽しい高齢社会が実現できるかというポジティブな発想で捉えることが大切であるということをうかがい知ることができた。

提言

高齢者施策を各課連携による総合的な取り組みができるように検討されたい。

高齢になっても楽しく過ごせる、遊び心満載の高齢者施策の実現を強く望む。

尾道市

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