岡山県備前市
更新日 平成30年5月18日
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調査概要
- 備前市は、小学校12校、中学校5校であり、全国に先駆けていち早くICT活用による教育環境を整備されていた。(平成27年1月から小・中学校に子ども1人1台のタブレットを支給)その背景には、わが町と同様に子どもたちの学力向上が大きな課題となっていた。
- 産・学・官の包括連携協定は、平成28年5月、産業(ベネッセコーポレーション)は新たな教材開発への活用、大学(岡山大学大学院)は教員希望の学生のトレーニング、現在の教育課題の把握、官(備前市)は学力向上のそれぞれの思惑が一致して始まった。
- ICTは教員によって活用率が異なるが、今では概ね75パーセントの教員が積極的に活用している。
- 学力向上対策については、学力の3年間の定着状況を分析できるように業者(ベネッセコーポレーション)によるテストを同一学年対象(5月、3月)に実施している。一年間を通して生徒の学習定着の状況把握及び今後の指導方法を教員に提供しているが、協定している大学や現場の教員から大変参考になるとの声が届けられている。
- 平成28年度小学校の授業で、中国とインターネットを通じて交流したが、英語力の違いを目の当たりにして、子どもたちの英語学習への刺激になった。
- 財源はふるさと納税27億円(全国5位)を活用しているが、総務省の通達により納税額が今後5分の1程度になるのではないかと危惧している。
所見
備前市の学力向上策は、ICTの進化に伴う社会資本整備の推進及び公教育への導入を察知して英断したものと推察するものであり、また、ICT化だけでなくデータ化まで取り組んだことは先見性があると判断する。このデータ化の意味するものは、教育委員会そのもの指導力を高めるという施策であり、市教員そのもののスキルを高めるという意図も見える。
市の教育施策は、現在、ICT導入後、学力が緩やかに向上している。その一方、ICTの活用について、スキルが追い付いていない教員が少なからずいたことや、当初は使用ソフトのクオリティーに課題が見られた。
市はその後、インターネット接続されていない家庭でもタブレットが使用可能なように民間と共同で技術開発を行っている。これにより、経済状況に左右されず公平な教育環境づくりができた。
わが町の教育委員会でも学力向上施策に力を入れているが、どの施策がどの程度有効であったのか客観的なデータが見えづらい。市のICTの取り組みからは、授業改善だけでなく、データからの発展的な施策展開が可能なことを示唆するものであり、町の教育施策に大いに参考にすべき内容であった。
提言
3年間の学力の定着状況を分析できるように町独自での学習学力状況調査を実施されたい。
ICT導入に向けた財源の確保を検討されたい。
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