三重県朝日町
更新日 平成29年3月1日
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調査目的
わが町の人口変動問題は避けられない課題である。現時点で小規模な自治体ほど、その影響は大きいと考えられる。全国第1位の人口増加率35パーセント(2010年国勢調査)の要因と人口増加の対応、経済課題、財政への影響などについて調査見聞することで、わが町の将来都市像の参考とするものである。
調査概要
各委員から朝日町への質問
朝日町の人口は、2005年以前は人口が伸び悩んでいたが、2006年から2010年にかけて東部の丘陵地で白梅の丘、向陽台の住宅開発で人口が急増した。その結果、2010年の国勢調査では、2005年から2010年にかけて全国の市町村で人口増加率第1位の35.3パーセントとなり、2014年6月末現在において、10,242人3,770世帯となっている。急激な人口・世帯増となった要因および、急激な人口・世帯増に対しての対応は。
朝日町からの回答
主な要因は、大都市である名古屋市方面への交通アクセスの良さに加え、安定的な大手電機メーカーによる雇用確保、区画整理事業の進展による大量の住宅地の開発等などが挙げられる。また、大震災以降、津波被害への意識が高まり、より高台での住宅をという傾向が増えたと推察している。公共施設等への対応では、2009年9月より幼保一体化施設「あさひ園」の整備などを行った。
各委員から朝日町への質問
人口増による影響、特に地域振興や町財政の面では。
朝日町からの回答
若い世代が増えたことにより、子どもの数も急増した。これにより幼保一体化施設の整備を進めた。区画整理事業を進めた地区では、新たに複数の自治会が誕生するなどしている。人口増加に対して、近隣地域に大規模なショッピングモールが誕生するなどしており、買い物などでの利便性は向上しているが、反面、従来からの商店街などの変化はそれほど見られない印象がある。
各委員から朝日町への質問
人口増により、10ヵ年の町総合計画について、基本計画や実施計画への評価や見直しは行ったのか。
朝日町からの回答
2016年から後期5ヵ年の計画が始まることに伴い、平成26年度中から見直しの準備を行っている。
各委員から朝日町への質問
全国一位の人口増加率と公表後、どのような反響があったか。
朝日町からの回答
行政視察の受け入れが増加した。
所見
人口増加と定住を目的とするならば、若い世代を中心とした積極的な流入が必要不可欠である。そのためには、安定的な雇用の場の確保や交通アクセスの利便性の良さ、魅力的な住宅が整っていることが必須条件といえる。
朝日町の場合、戦前に大手電機メーカーの誘致に成功していたことや大都市である名古屋市と近い距離にあることから、一見すると、雇用の場や交通アクセスに恵まれた環境と思われる。しかし、その潜在能力を引き出したのは人口・世帯増の受け皿として必須条件である区画整理事業の完成に他ならない。さらに注視することは、朝日町の区画整理事業が、当初の計画通りのスピードをもって実現したことである。このスピード完成が大量の住宅地の供給促進などが人口増加に拍車をかけた最も大きな要因である。
わが町としても、積極的な企業誘致による安定的な雇用の場の増加への努力、交通アクセスの利便性向上のため国や都・関係機関への継続的な働きかけなどを行っていることは認めるが、結果として町内二か所の区画整理事業の進捗が当初の計画年度の目標に達することができなかったことは残念な結果といえる。今後は、区画整理事業の進捗率の向上を目指すことを委員会として望むところである。


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