岩手県紫波町議会

更新日 平成29年3月1日

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調査概要

岩手県紫波町 議会改革について

紫波町議会は、平成19年9月議会にて「議会のあり方に関する検討委員会」を設置。議会改革1期は、平成23年6月までに通年議会導入の他12件の改革に取り組み具現化された。改革2期として平成23年8月から平成27年6月までに予算・決算審査における議員間討議の導入の他6件の改革を推し進めていた。

今回は、改革2期で進めてきた予算・決算における議員間討議を中心に調査を行った。議員間討議を導入した目的と必要性については、議会における議決と説明責任を果たすため、議会チェック機能を深めること、議案に係わる課題、論点の共有化を図ることにあった。そして、議決の主体は議員でなく議会であることから、「議会としてどう判断したか」ということが必要であり導入したとのことであった。

次に、予算・決算審査のスケジュールは、

  1. 議案の早期内示(1週間前)
  2. 議員の議案内容の事前調査・検討(1日間)
  3. 分科会における論点整理・確認(2時間)
  4. 予算決算常任委員会での内容説明および質疑(2日間)
  5. 分科会における論点の再整理(2時間)
  6. 予算決算常任委員会における課題の共有化(30分)
  7. 予算決算常任委員会(3日間)
  8. 付帯意見等協議(分科会ごと2時間)
  9. 予算常任委員会での自由討議(30分)
  10. 予算決算常任委員会採決
  11. 本会議討論・採決

であった。

これは、町の理解と協力を得て進められていた。なお、決算については、独自の事業評価シートを作成し、検証・分析を行っていた。また、補正予算についても1億円以上の案件については委員会に付託し審査を行っていた。

その他の改革については、平成23年1月から通年議会を実施、議長判断で 議会を開催することができるようにした。常任委員会活動が容易にできるなどの効果があり、デメリットはないとのことだった。平成24年4月から政策形成サイクルの導入を行った。現在のところ、政策課題はあるものの立案までには至っていないとのことであった。

岩手県紫波町 紫波中央駅都市整備事業オガールプロジェクトについて

オガールプロジェクトとは、「紫波中央駅前都市整備事業」のことであり、「オガール」とは、フランス語で「駅」を意味する「ガール」と、紫波の方言で「成長」を意味する「おがる」を合わせて名づけられたとのことであった。

紫波町の課題としては、全国の自治体と同様に、若い世代の人口流出や商店街の活性化、子育てしやすい環境づくりなどがあった。また、紫波町は、国からの地方交付税や補助金の削減など、厳しい財政状況の中で地域活性化対策を考えざるを得ない状況にあった。そこで、補助金に頼らない新たな施策として「紫波町公民連携計画」を策定し、施設整備を進めていた。今では全国からこの取り組みに視察が殺到しているとのことである。

具体的な施設整備としては、駅前の町有地を中心に、駅舎・庁舎・サッカー場・体育館・分譲住宅のほか、オガールプラザ(図書館・カフェ・ホテル・産直マルシェなどが入居する施設)を整備し、運営を行っている。計画を推進する上で最も重視したことは、町民の財産である町有地を安売りしないことであった。

ここでは提言や所見ではなく参考事例を提示し調査報告とする。

参考事例

オガールプラザ

1 情報交流館について

一般の交流場所だけでなく、大小さまざまなスタジオとアトリエ等があり、多くの住民ニーズに応えようという姿勢には学ぶべきものがあった。 また、紫波町内のNPOに関する資料等が閲覧できるコーナーもあり、多くの町民が活動していた。2階の子育て応援スペースも充実していた。

2 直売所「紫波マルシェ」について

この直売所は午前9時にオープンし、朝から賑わいを見せていた。新鮮な産直品を安価に提供しているだけでなく、精肉・弁当・惣菜なども充実しており、食料関係はここで賄えるようになっていた。また、各種ランチなどが食べられる食堂も一体となっていた。

3 書館について

地元産の木材を使ったこの図書館は、明るく親しみやすさを感じた。キッズコーナーに多くの面積を割いていたが、児童書の貸し出し数も多く、週末になると家族連れで賑わっているとのことであった。
蔵書数は9万冊とわが町の図書館より少ないが、内容は大変充実していた。
その一例として、郷土に関する歴史的資料や人物などについては、写真と資料がセットで並べられていた。また、「東日本大震災コーナー」もあり、 震災や原発関係の書籍・資料がたくさん揃えられていた。隣接する宿泊施設の宿泊者への貸し出しなど、他の施設との連携も図られていた。

所見

わが議会では、平成28年3月の予算特別委員会で初めて議員間討議を取り入れたが、予算特別委員会、議員間討議前の調査・分析・検討などが不十分であった。

今回、紫波町議会での議員間討議のスケジュールやノウハウを研修し、大いに参考となった。今後は、議会運営委員会を中心に更なる議員間討議の充実に向けて進めていかなければならいことが明確となった。併せてこの改革には、町の理解と協力が不可欠であることを申し添えておきたい。

また、紫波町議会では議会モニター委員制度を設置し、委員が毎回議会傍聴を行っていた。また、年2回広報広聴常任委員会委員が議会モニターと意見交換を行い、住民参加型の議会を目指していた。わが議会でも、議会モニター制度の導入について研究・検討を進めたい。

今回の視察を通し、瑞穂町議会として議会機能強化のためのポイントが明確になった。更なる改善に向け取り組んでいきたい。

岩手県紫波町の視察の様子の写真

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