神戸市立上野中学校

更新日 平成29年3月1日

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調査概要

「するを許さず」「されるを責めず」「第三者なし」。昭和57年から継承される神戸市のいじめに対する指導の根幹である。

市では平成25年にいじめのない明るい学校づくり宣言を本会議場で全校の生徒会代表者で採択。平成26年にはいじめ小中地域会議を開催。平成27年度は予算が認められて「こうべっ子いじめ防止広域キャンペーン」を実施。近年、小学生・中学生のスマートフォンなどの所持率の増加、ネットやスマートフォン依存、SNS上でのネットいじめなどが問題となり、学習や健康問題等の日常生活にも悪影響が出始めていることから、小学生・中学生が主体的にルールを策定することが必要であると考えた。

神戸市灘区では、ルールは区全体で共通したものが良いと考え、策定推進するにあたり、中学校校長会の生徒指導対策校長(1名・上野中学校校長)、小学校校長会の健全育成担当校長(2名)が中心となって、兵庫県警(東部サポートセンター、生活安全課)、区長、青少年育成協議会、保護司会、PTA連合会が連携し、定例的に会議を開き、子どもたちが主体となってルール作りができるようサポートしていた。ルール策定に向けての具体的な取り組みは、学校での情報モラル教室の実施による意識の醸成と、ルール作りの趣旨や必要性、具体的な取り組みについて生徒会役員に説明した後、クラス討議、全校討議を経て学校としてのルールを作る。その後、中学校区毎にいじめ防止小中地域会議を開催。学校で作ったルールを中学校区の小学校の代表児童と地域や保護者の代表を交えた中で発表し意見交換を行い学校としてのルールを決める。次に、各中学校の生徒会役員が自分たちの学校のルールを灘区子どもサミット準備会に持ち寄って検討し、灘区の共通ルールを完成させた。区役所で灘区子どもサミットを開催し、そこで、代表の生徒が、保護者や地域の方の参加する中、パワーポイントを使って共通ルールを正式に発表した。

その後、子どもたちは地域をパレードして「スマホ・携帯利用のルール」を啓発すると共に、手作りのルールの遵守に努めていた。

所見・提言

視察で訪問した神戸市立上野中学校では、生徒たちが進んで挨拶し、授業態度も良好で、発言などもしっかり声が出ていた。校長先生が今回の区における子どもたちによるルール作りを進めるために、中心的役割を果たされており、子どもたちに関わっている関係者、関係機関と連携を密にして、子どもたちが自らルール作りを行えるように取り組まれていた。

子どもたちが自分たちでルールを作ることを実現できたのは、陰で子どもたちに関わる学校の先生、PTAのみならず、区長、兵庫県警の担当部署、地域の青少年育成協議会委員や保護司会の方々など多くの大人が、それを実現するために連携し、協議し、サポートしていたからであった。ここに多くの時間を割き、丁寧に段取りをし、校長先生をはじめとする学校の先生が子どもたちを導いていく作業は素晴らしいと思った。子どもたちもその趣旨をよく理解し、しっかりと話し合い、一つ一つの行程を積み重ねて学校でのルールをまとめている。小学生や保護者を前に、そのルールを発表する姿は大変立派で誇らしかったと校長先生が嬉しそうに、また誇らしげに語られた。さらに、子どもたちは、ルール作りを通して、やればできるという自信といじめは許さないとの自覚ができたのではとも語られたが、先に述べた、子どもたちの立ち振る舞いを見ると大いにうなずける。教育とはこうあるべきではと感じた。

インターネットやスマートフォンの利用上の問題は、全国的にも生徒指導上の喫緊の課題である。わが町でも、近隣自治体に先駆けて「STOP22」を打ち出し、地域を巻き込んで子どもの健全育成に取り組んでいる。しかし、子どもたちへの浸透を進め、適切な利用の実践に繋げるためには、灘区のように、子どもたちが自ら、意識して、自分たちのためにルールを作っていけることが必要であると考える。関係者が十分協議し、サポート役に徹し、子どもの自立を促していく取り組みをしていくべきと考える。

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