大阪府泉大津市

更新日 平成29年3月1日

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調査概要

大阪府がアクションプランに基づき平成16年度から平成20年度までの5カ年事業として10割補助のコミュニティソーシャルワーカー(CSW)機能配置促進事業を開始した。これは福祉制度の狭間や複数の福祉課題を抱えるなど、既存の福祉サービスだけでは対応困難な事案の解決に取り組むためコミュニティソーシャルワーカーを配置し、地域における見守り・発見・つなぎ機能の強化を図る事業である。

泉大津市では平成17年度から市内で特別養護老人ホームを運営する3つの社会福祉法人を委託先に指定し、各1名、3名体制でコミュニティソーシャルワーカー配置促進事業を開始した。府の事業は平成20年度で廃止されたが、平成21年度からは地域福祉・子育て支援交付金の対象事業として再構築され、市ではコミュニティソーシャルワーカー事業を継続した。平成27年度にはもう1法人増やし、更に社会福祉協議会に基幹型コミュニティソーシャルワーカー(1名)を新設し、5名体制とした。

事業の内容は要援護者に対する見守りや相談で、各種支援サービスやその利用方法に関する情報提供のほか、独自の取り組みとして、各種福祉サービスの代行および同行申請を実施していた。

コミュニティソーシャルワーカーの役割として、個別支援(ニーズの解決に向けた支援)と地域支援(ニーズの早期発見と地域生活全体を支える支援)に分類している。個別支援ではアウトリーチ(家庭訪問)を実施し、信頼関係を構築することで相談内容を丁寧に把握し、どういった支援が必要か分析しサービスへつないでいく。地域支援としては活動内容を周知し、相談経路やつなぎ先の拡充を行う。更に、不足しているサービスを新たに作り、必要に応じて地域コミュニティの住民間のつながりを再構築する役割も担っていた。

コミュニティソーシャルワーカーとなる人材は社会福祉士等の資格を有し、施設等で実務経験と大阪府社会福祉協議会の行っているコミュニティソーシャルワーカー研修会を受講している者とし、更に、市役所での実務研修(高齢介護課・子ども未来課・生活福祉課などで1か月間)を要件としている。地域福祉セーフティネットの構築を図る役割を果たすためには、制度の理解と行政や関係機関との連携を深める必要があるからとのことであった。

基幹コミュニティソーシャルワーカーを中心として1か月に2回、事例検討会議を実施すると共に、教育分野や生活困窮自立支援相談窓口との連携強化も図り、ひきこもりの問題解決にも力を入れていた。

所見・提言

近年、いくつもの福祉制度が住民の福祉のサービス拡充のために施行されているが、そのサービスが十分利用され、住民の困難さが軽減されているかという点において、不十分ではないかという視点で、大阪府ではコミュニティソーシャルワーカー(CSW)を配置し、その解決を図るために独自事業として10割補助事業としてスタートさせた。これを受け、大阪府の数ある自治体がコミュニティソーシャルワーカー配置事業を導入している。

泉大津市では、市内で福祉サービスを担っている3事業者への配置からスタートさせている。また、コミュニティソーシャルワーカーの資格要件に、府の研修のみならず、市役所での実務研修(高齢介護課・子ども未来課・生活福祉課などで1か月間)も加え、福祉サービスの実務や行政のサービスを理解することで、現場の課題を抱える住民に時間をかけて寄り添い、行政が行えるサービスへの橋渡し役を果たしていた。更に、府の交付事業に移行してからも、配置事業所を4つに増やし、基幹コミュニティソーシャルワーカーの配置も行い、コミュニティソーシャルワーカー5人体制に拡充した。基幹コミュニティソーシャルワーカーを中心に、現状や課題を共有し、一人暮らしや高齢者支援、寝たきりや認知症の介護で悩んでいる人、引きこもりや虐待、消費者被トラブルなど広範な問題にワンストップでの支援に取り組み、福祉施策の狭間で課題を抱えたままになっている住人の課題解決のために、アウトリーチも行いながら、丁寧に話を聞き、必要な場合は随行して福祉サービス利用に繋げていた。

町の実施したアンケートによると50パーセント以上の人が、住み慣れた地域で安心して住み続けられることを希望している。更に、ひきこもりなど、福祉施策の狭間で、そのサービスにまで届かず、困難を抱えている事例も少なからず存在する。家庭と行政の狭間で困っている住民を直接訪問し、問題を丁寧に聞きとり、継続的・横断的に寄り添い、解決のための方法を探り、サービスにつなげていくコミュニティソーシャルワーカーのような存在は、複雑化する社会の中で大変有用であると考える。わが町でも、設置を検討すべきである。

泉大津市 写真
コミュニティソーシャルワーカーの説明のための
寸劇を披露してくれている担当職員

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