山口県宇部市

更新日 平成29年3月1日

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調査目的

子供たちの学習環境の更なる向上を目指す上で、地域の方々とのかかわりは大変重要である。そこで、宇部市が積極的に取り組んでいるコミュニティ・スクールを深く調査見聞し、今後のわが町の取り組みの参考にすることを目的とする。

調査概要

宇部市では、文部科学省のモデル校を受けたことを皮切りに、学校と地域の人々(保護者・地域住民等)が目標を共有し、一体となって地域の子どもを育むことを目的とした「コミュニティ・スクール」を平成22年度に、1校からスタートした。平成26年度には市内のすべての小・中学校(小学校24校・中学校13校)で導入。「保護者、地域住民、学校の三者で課題を共有し、解決に向けた取り組みを実施する」「保護者や地域住民がいつでも来校でき、児童・生徒が様々な形で地域に貢献する仕組みを充実させる」という、互いに学び育ちあう学校を目指していた。具体的には、推進体制を確立し、「学校支援」「学校運営」「地域貢献」を3つの機能として掲げ、学校ごとに特色ある取り組みを進めていた。

「学習支援」では、放課後等の学習支援や総合的学習として、地域の研究会や大学・高専等と連携した学習支援のほか、学校行事への参加、読み聞かせ活動など学校での支援と、地域ボランティアによる定期的な学校環境整備、見守りや合同避難訓練を実施。「学校運営」では、課題の共有や学校運営改善、人材育成を目指し、学校ごとの協議会に加え小・中学校合同の協議会を実施。「地域貢献」では児童生徒の地域行事への参加やボランティアによる地域清掃活動のほか、地域の方とともに認知症について学ぶ場も設けていた。また、図書館などの施設開放を実施していた。

宇部市ではコミュニティ・スクールを、子どもにとっては「学びの充実」と「地域への愛着」、教職員にとっては「地域等の理解と安心感」や「意欲の向上」、地域の人々にとっては「自己有用感や生きがい」「専門性を生かす機会」と位置付けている。しかしコミュニティ・スクールの認知度はまだまだ不十分であるとの認識から、推進体制の更なる整備や情報発信の充実、活動拠点の整備を進め、学校を核とした地域づくりを目指すとしていた。

所見・提言

山口県は「やまぐち型地域連携教育推進事業」を積極的に推進し、コミュニティ・スクールの導入に前向きである。こうした背景もあり、宇部市でも子供たちの健全育成のため、学校・家庭・地域の三者が連携して子供たちの教育に取り組むことが大切であるとして、1校から段階的に進め、26年には37の全小中学校をコミュニティ・スクール指定校としている。コミュニティ・スクールは学校運営において地域や保護者の意見が反映されやすい特徴を持つ。それを積極的に推進する点で、子供たちの健全育成に対する強い情熱を感じる。学校と保護者、地域が常に課題を共有し、解決に向けてともに取り組む事例として、クレーマー問題を解決できたことが挙げられていたが、こうしたデリケートな問題を学校だけで解決しようとせず、保護者・地域の方々と共に取り組む姿勢は大変素晴らしい取り組みといえる。わが町でも学校連絡協議会があり、校庭の芝生管理など地域の協力を得ての取り組みが行われているが、さらに、幅広い課題の共有が図られることが望ましい。また、宇部市では、わが町が有償で行っているスクールサポーターに近い取り組みが、地域の方々によるボランティアで実施されている事、ゲストティーチャーによる総合学習、放課後子ども教室の実施など、人と人とのつながりの強さ、層の広がりが図られている。子供たちと地域とのかかわりの推進においても、わが町以上に積極的である。地域や保護者の方々との更なる連携を推進すると共に、子供たちの郷土への愛着を高めるうえで、宇部市の取り組みは大いに参考となった。

山口県宇部市の視察の様子の写真

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