宮城県東松島市および航空自衛隊松島基地

更新日 平成29年3月1日

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調査概要

当委員会から東松島市への質問

松島基地周辺整備対策事業等については。

東松島市からの回答

国の「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」の各条に基づく、「障害防止工事の助成事業」(3条)、「個人住宅防音工事」(4条)、「移転補償」(5条)、「民生安定施設の助成事業」(8条)、「特定防衛施設周辺整備調整交付金事業」(9条)、「農耕阻害損失補償」(13条)に取組んでいる。また、市の独自施策として「航空機騒音に対する騒音区域見舞金」を平成17年度から平成22年度まで実施した。

当委員会から東松島市への質問

松島基地との交流については。

東松島市からの回答

ブルーインパルスの隊員による仮設住宅慰問やヘリによる体験搭乗(復興状況を空から確認)、夏まつりをはじめ、各種イベント等を通じ積極的な交流を図っている。

当委員会から東松島市への質問

東日本大震災後の復興状況については。

東松島市からの回答

大震災前の人口43,142人のうち、おもに大津波による死者1,109人・行方不明者25人という壊滅的な被害を受けた。浸水地域は市街地の65パーセントであり、これは全国の被災市町村中、最大である。その後、2,000人以上の市民との意見交換や有識者委員会等の指導助言を経て「東松島市復興まちづくり計画」を策定し、内陸部・高台への集団移転をはじめとする各種事業を推進している。松島基地は本市沿岸部に設置されており、基地機能を守ることは市街地を守るものにつながるとの考えから、基地機能回復と復興まちづくり計画の一体的な推進を図っている。

当委員会から東松島市への質問

基地交付金(国有提供施設等所在市町村助成交付金)や特定防衛施設周辺整備調整交付金等はどのように活用されているか。

東松島市からの回答

基地交付金については、使途を明確にした事業等は無く、「固定資産税の代替え」という観点から、一般財源化している。特定防衛施設周辺整備調整交付金(9条交付金)については、平成23年より、ハード事業からソフト事業への転換を行っている。(子ども医療費基金、防災事業基金、各市民センターおよび健康増進センター指定管理料、ALT委託料、一般廃棄物最終処分場・リサイクルセンターの運営費などに活用している。)

当委員会から東松島市への質問

交付金増額に向けては、どのような要請活動を展開されているか。

東松島市からの回答

9条交付金について、東日本大震災の影響により、松島基地における通常の航空機の運用が行われていないため、基地所在地という特殊性を最大限考慮し、交付額を大幅に減額することのないよう、個別要望、宮城県防衛施設周辺整備事業促進協議会、全国基地協議会、防衛施設周辺整備全国協議会にて統一事項として要望活動を継続している。

当委員会から東松島市への質問

東松島市復興まちづくり計画と基地機能復旧計画はどのように進んでいますか。また、両計画の一体化はどのように進んでいますか。

東松島市からの回答

本市では、多重防ぎょ施設(海岸堤防、運河堤防、高盛り土道路・防災緑地)による津波浸水被害から市街地を守る事業に着手している。また、松島基地は本市沿岸部に設置されており、基地機能を守ることは市街地を守るものにつながる。本市では、復興計画の早い段階から、防衛省、航空幕僚監部、松島基地と連携し、松島基地における高台駐機場に合わせたかたちで、高盛り土道路・防災緑地の整備を進めている。

所見

近年めまぐるしく世界情勢は動いており、とりわけ極東アジアでの緊張は増している。これらは、冷戦終結を機に減少していた戦闘機によるスクランブル発進が、再び増加傾向にあることからも明らかとなっている。このようななか、さまざまな現場で実際に活動する航空機パイロットを育成することは国民と国土の防衛上、急務である。

航空自衛隊松島基地は、主な組織概要として第4航空団によるF-2型戦闘機のパイロットの教育訓練、T-4型機で構成されたブルーインパルスの展示飛行、松島救難隊による救難捜索機U-125Aや救難救助機UH-60Jの連携による海や山での遭難者の救助、急病人の輸送などを業務としている。いずれも、国民の生命・財産、領空を守るために必要であり、国民各位の理解を育むことにも寄与している。

平成23年3月11日に東日本大震災が発生した際には、地震・津波・原発被害といった、経験したことのない複雑な複合災害があったが、特に東松島市では大津波による死者1,109人・行方不明者25人という壊滅的な被害を受けた。浸水地域は全国最大の市街地の65パーセントにもおよんだ。松島基地でも隊員1人が殉職、航空機28機が流出するなどし、松島基地および自衛隊員自身と官舎に住む家族が「被災者」であるにも関わらず、懸命な捜索活動や復旧活動が行われたことは、被災状況を知る多くの市民の共感を呼んだ。

一方、横田基地には、在日米軍司令部および米空軍が所在し、現在では、航空自衛隊航空総隊司令部・航空戦術教導団司令部・作戦情報隊・作戦システム運用隊なども所在している。松島基地ではパイロット教育訓練や救難隊の配備といった横田基地とは組織概要の違いがあるにせよ、わが町としても、東松島市・松島基地との事例を参考に、平時から横田基地の米軍人・軍属・その家族、自衛隊員とその家族を含めた多くの方々との、なお一層の交流を図っておくべきと考える。

今回の東松島市視察を通じて、市の施策を参考に下記項目の研究・検討を図られたい。

  1. 東松島市では特定防衛施設周辺整備調整交付金を活用し、中学三年生までの医療費無料化が実施されている。町としても少子化対策のための基金創設を。
  2. 東松島市では自衛隊員とその家族は市内で生活しており、普段から住民との交流が図られている。町としても、イベント時だけでなく日常的な交流が図られるような施策推進を。

いずれにせよ、基地所在地という現実を直視し、国への基地交付金増額の働きかけや民生安定施策を、委員会としても臨むところである。

宮城県東松島市および航空自衛隊松島基地の視察の様子の写真1
宮城県東松島市および航空自衛隊松島基地の視察の様子の写真2

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