岩手県北上市

更新日 平成29年3月1日

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調査目的

町では、平成26年2月現在65歳以上の要介護認定率は、前年と同じ14.3パーセントで、東京都が23.4パーセント、全国が17.8パーセントと比較すれば低い現状である。今後も、生きがいを持って地域で元気で生活できるよう、いろいろな事業に率先して多くの参加を図ることで、結果として健康寿命の増進や要介護認定率の現状維持・低減に寄与できるものと思われる。そこで、北上市で取り組んでいる介護予防事業における口腔ケア事業の「宿題による意識付けや習慣化」を視察し、高齢者施策の拡充を図ることを目的とした。

調査概要

北上市(外部リンク)は、1991年(平成3年)に合併し行政面積は瑞穂町の約26倍、人口は約3倍である。企業誘致を進めており、東北有数の流通・工業集積地となっている。現在も人口の転入・転出が多い市である。しかし、高齢化率は平成25年9月時点で23.64パーセントであり年々増加している。
ここでは、通所型二次予防事業の口腔ケア事業を保健師と歯科衛生士が中心となって、高齢者が抵抗なく参加できるように、ユニークなネーミング(げんき・歯つらつ講座)で、分かりやすいパンフレットを使って積極的に取り組んでいた。
すべての二次予防事業対象者に「げんき・歯つらつ講座参加者チェックリスト」を配布し、その結果に基づいて「運動機能講座」「認知症予防講座」「口腔ケア講座」など、その人にあった介護予防事業を進めていた。特に、「口腔ケア講座」では、1か月半で、3回の講座をセットとし、市内8地区で開催している。
1回目は食べる楽しみや体全体の病気予防などに効果がある「口腔機能向上の必要性」について紙芝居を使って説明し、自分の口の機能を実体験(おせんべいを食べる・散水ホースを使った手作り吹き矢のゲームなど)し、自分で認識してチェックリストに記入する。そして、自分の口の機能を知ることで、目標を立て、毎日「歯つらつ体操」に挑戦し、宿題のように記入シートにチェックしていく。楽しみながらできることをモットーに講座に取り組んでいた。
2週間後の2回目の講座は、「簡単料理を作り よく噛んで食べる」とのテーマで参加者が実際に調理をし、よく噛んで食べる実習をしている。また、嚥下機能低下と予防の講話や口腔体操の実技もしており、毎日の宿題も継続して習慣化を図っていた。その1か月後、3回目の講座では「口腔ケアの必要性」「介護予防について学ぶ」を再確認させ、事後アセスメントを実施していた。
3回目の開催日の2週間前には必ず、参加者全員に1・2回時の様子の写真を心のこもったコメント付きで送付し参加を促し、講座終了後には、参加者への感謝と口腔ケアを促す内容の手紙を送っている。
この講座の参加者は、増加しており「お口の元気度」「目標達成感」には効果があがっているとの、報告があった。

所見

「口腔機能向上」と「口腔衛生」の重要性を保健師・看護師・歯科衛生士・栄養士がチームを組んで、従来の専門的な話を聞いたり、お決まりの手順を習うのではなく、実際に物を食べたり、ゲーム感覚を体験しながら、楽しく、かつ自分で自分の口腔機能を認識させて、ケアの必要性を実感してもらう方法は、口コミで広がり参加者の増加を実現させ、機能回復の効果もあげていた。
高齢者の日常生活向上を図る上で、口腔機能向上は体全体の病気の予防につながり、咀嚼訓練等は脳の活動にも影響を及ぼす重要事項である。町でも介護予防事業として口腔ケアを行っているが、その参加者は少ない。そこで、参加者を増やす方法として、参加者が楽しくできること、また行きたいと思わせるために、北上市のように体験型で自己認識ができる工夫が必要と感じた。また、参加しやすいように、高齢者を一堂に集めるのではなく地域に出向いての活動も効果的であると感じた。

岩手県北上市の視察の様子の写真

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