三重県多気町

更新日 平成29年3月1日

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調査目的

「地域おこし」、「まちづくり」は自治体や住民にとって、重要な課題である。そのための手段として、お互いの立場を尊敬しあう「産・官・学の協働」には大きな意義があると考える。三重県多気町では、すでに全国的な知名度である「高校生レストラン」の舞台となった「まごの店」をはじめ、「エイチ(H)プロジェクト」に取り組んでいる。これらについて見聞させていただくことで、わが町の町政運営の参考とするものである。

調査概要

各委員から多気町への質問

全国に夢を与えてくれた「高校生レストラン(まごの店)」の取組みについて、どのような経緯や効果があったか。

多気町からの回答

地域の宝、地域資源を考えるうえで、重要な視点は三つ。一つ目は「無いものは探さない。有るものを使う」ことである。まちおこしに成功している地域は、必死であり、それを磨いて誇りにしている。二つ目は「自分たちで考える。自分たちで作る」ことである。外部に頼むコンサルタントは古いやり方であり、他人任せにすると、後々ノウハウが残らない。三つ目は「ビジネスを意識する」ことである。費用対効果、コスト意識を常に持つことである。民放テレビ番組ニュースでの紹介により、全国から訪問者が殺到した。食材も地元産のものが多く、生産農家からも強いやりがいが感じられたとの声が挙がった。

各委員から多気町への質問

まちの宝創造特命鑑が仕掛ける「エイチ(H)プロジェクト」の取組みについて、どのような企画を進めたか。

多気町からの回答

最近では、「自転車によるまちづくりプロジェクト」を進めている。市内の里山サイクリングコースの改良と整備、日本マウンテンバイク協会公認の大会の開催などが挙げられる。(視察直後の平成26年10月4日、平成26年10月5日に開催予定)また、「全国高校生まごの店スペシャル」や「全国高校生Sセレクション」を支援するなどして、「食によるまちづくり」を推進している。

各委員から多気町への質問

各年度、町長はじめ、まちの宝創造特命鑑、各課長の「ええまちづくり 私の約束」公開について、どのような経緯や効果があったか。

多気町からの回答

まだまだ検証段階である。

所見

「地域おこし」「まちづくり」は全国どこの自治体でも推進をしているのが現状である。しかしそれぞれの地域がもともと持っている伝統や文化、特産品、観光名所などは、唯一のものであり、それにどう気がつき再認識するのか、それをどう活かすかが課題である。お互いの立場を尊重しあう「産・官・学の協働」により、異なる目線だからこそ、多様なアイデアが発見されてくるのであろうが、見逃してはならないことは、そのメンバーひとりひとりが事業主義ではなく、成果主義で臨んだことである。

「まごの店」を具現化できた背景には、当時の担当職員である岸川氏の存在が大きい。氏は「県立高校が高校生を使ってのビジネス。万一の時の責任の所在など、まともに行っては国や県の許可は取れない。どうせ公務員は首にならない。これを逆手にとって黙ってやってしまえばいい。今思うと、公務員としてあるまじき行為を行ってしまった」と語ってくれた。また、高校生の教育効果としては、ほとんどの生徒が「将来、多気町でレストランを開いて、町の皆を喜ばせたい」など、地域貢献につながることを望んでいることや、就職後の離職率が激減したことなどが数値で示された。氏の語った公務員としてのあるまじき行為が、今では、若者に「耐える心」を養う修練の場を提供し、町づくりの支柱である「郷土愛護の精神」までも町民に広く涵養したことを鑑みた時、真に町民の求める公務員像とは、条例規則を原則に粛々と行う公務員なのか、時には条例規則に目をつぶってでも信念を貫こうとする公務員なのか考えさせられた。また、氏を支援し、予算化まで行った町長、教育委員会の協力と英断を見逃してはならない。

わが町としても、多気町の成功事例を参考に、「みずほ・きらめき回廊」(水・緑と観光を繋ぐ回廊計画)などを通じ、さまざまなアイデアを盛り込みながら、さらに進化させ活用を図っていくべきであるが、そのためには、「成果主義に立脚した産・官・学の協働」を積極的に深めることである。

最後に、多気町まちの宝創造特命鑑・岸川政之氏は、現在、平成25年4月に安倍内閣総理大臣が設置した「ふるさとづくり有識者会議」(趣旨 文化、伝統、自然、歴史を大切にすることにより、日本人の心のよりどころであるふるさとを愛する気持ちを育み、誇りあるふるさとをつくるための基本理念や施策のあり方について検討を行う)の構成委員の一人となっていることを紹介し所見とする。

三重県多気町の視察の様子の写真1
三重県多気町の視察の様子の写真2

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