三重県尾鷲市

更新日 平成29年3月1日

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調査目的

自治体にとって、環境保全に関わる対策は極めて重要である。三重県尾鷲市では市内を流れる中川の異臭問題への対応が大きな課題となっていたが、市民や大学等の関係機関との積極的な連携により、これを克服した。これらの対応などについて見聞させていただくことで、わが町の町政運営の参考とするものである。

調査概要

各委員から尾鷲市への質問

中川の異臭問題の当時の臭気指数は。業者の撤退まで至った経緯や対策について。新たな産業廃棄物業者の進出抑制策について。

尾鷲市からの回答

苦情要旨、現地調査、苦情発生件数の推移、長年にわたる異臭問題発生から業者撤退までに至る経緯は別紙の通り。

所見

公害防止法、公害防止条例等には、悪臭問題に対して、国や自治体の責務が謳われているものの、実質的な対策を講じた自治体は極めて少ない。この要因は、悪臭は個々の感覚であり、かつ、気候・風向に大きく左右されるため、臭気指数や発生源の特定が困難と思われることが、対策を講じきれない主な理由であろう。しかし、住民の健康被害をも予測させる危険かつ複雑な課題に対しては、条例に謳われている以上、自治体の責務として、積極的な課題解決への取り組みを住民に示す必要がある。それを担う手段としては、問題発生箇所と影響箇所の把握、正確な原因物質の特定がなによりも不可欠である。尾鷲市においては、臭気の発生源を特定できたのは、臭気そのものと、湖底に堆積された内容物の因果関係が科学的調査により判明したからであり、これが事業者の操業停止にまで追い込んだ大きな要因であった。ここに至るまで、市は、県への協力要請をはじめ、職員自ら、発生源と目される事業者をほぼ24時間365日監視し続け、かつ、市の単独予算で三重大学に科学的調査を依頼してきたのである。これは、公害防止条例に則った適正な行為であり、住民の望む公務員としてのあるべき姿勢であると受け止めた。

なお、今回の尾鷲市での中川異臭問題の解決については、三重県の担当部局と三重大学、市民団体などがそれぞれの役割を十分に認識し、連携を深めたことも見逃してはならない。特に三重大学の検証が今回の課題解決に寄与した影響を鑑みれば、必要によっては、町においても発生源の特定を科学的に証明することができるように、研究機関との連携を模索する必要があると痛感した。

以上の点を考慮し、わが町としても、「瑞穂町公害防止に関する条例」第2条・第3条を速やかに履行できるようなシステムを構築するために、まず、環境保全に関わる備えとして、東京都の関係部局とのより密接な連携を日頃から確認するとともに、いつでも迅速に大学等の研究機関への調査依頼ができるようにしなければならない。特に、臭気対策として、土壌汚染の検査は、臭気発生の因果関係を明らかにする大きな要因と思われることから、必要に応じ予算執行を可とすることが肝要である。幸い、三多摩地域・近隣には大学及び大学等の研究機関も多く存在しているので、日常的な官学連携を深め、実現性の高い臭気対策を講じられるよう委員会として提言するものである。

三重県尾鷲市の視察の様子の写真1
三重県尾鷲市の視察の様子の写真2

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